今や、イギリスを代表するハイエンドブランドとなったCharlotte Tilbury。夏にCovent Gardenにあるその旗艦店へ行ったときのことやブランドについての詳しいご紹介はGLAMさんに書かせていただいた記事をご参照いただくとして、今日は限定パレットのレビューとCharlotte Tilburyのカスタマーサービスについて思うことを書こうかなと思ってます。
私がLegendary Muse Paletteパレットを買ったのは昨年9月のこと。当時限定で発売された直後で、何度かカウンターへ行ってスウォッチしてみたりしていたのですが、「今年はクリスマスは限定カラー出ませんよ」という販売員さんの言葉にちょっと揺れつつも、他のパレットに比べて応用が利かなそうだなーと買うのを躊躇していました。そんなある日、接客してくれた販売員さんの目元を見たら…これ付けてる!!すごく可愛い!!と単純にも一気に欲しくなってしまって、その場で買ってしまいました。
確か£50以上でVATリターンのレシートをもらえるということだったので、帳尻合わせにずっと気になっていたリップライナーのPillow Talkも購入。結局これは色味が合わずに友人にもらってもらいました。完璧なヌードピンク!と評判が高いリップライナーですが、私が付けるとかなり青味ピンクに発色してしまい、バブリーな印象に…。テクスチャは滑らかで発色も良かっただけに、とても残念でした。
Legendary Muse Paletteは、先程も触れたとおり、4色のトーンが似ているため、他のパレットに比べてちょっと地味な印象。他のパレットは「1個でナチュラルメイクも、スモーキーアイも、パーティメイクも!」的な万能感があるのですが、これはどう見てもスモーキーには仕上げられないし、全体的に大人しすぎてつまらないかなと思いました。
Charlotte Tilburyのアイシャドウパレットは左上がPrime、右上がEnhance、右下がSmoke、左下がPopとテーマ付されています。Primeで土台を作り、Enhanceで目元をパッと明るく整え、Smokeでスモーキーに仕上げ、Popのラメ感で目元にインパクトを与えるという構造です。オフィスメイクは上2色で仕上げ、ナイトアウトには下2色をプラス、みたいな使い方ができるというもの。
スウォッチしてみるとこんな感じ。テクスチャはとても滑らかで、ほとんど粉飛びもなく使いやすく、発色も◎。一番上がリップライナーのPillow Talk。思ったよりピンク!という印象で、もとの唇の色が薄い人にはちょっと強めに感じるかも。
アイシャドウは上からPrime、Enhance、Smoke、Popの順(色名がないので、こうして形容させてください…)。こうして見てもPrimeとSmokeの2色が似ていますよね。Primeカラーの方はベージュ味のあるピンクで、Smokeカラーの方は実際に見ると若干パープル味があります。
上2色で仕上げるとこんな感じです。アイライナーは手持ちのペンシルライナーを使いましたが、アイシャドウはこのパレットのみで仕上げています。Primeカラーをまぶた全体にのせたあと、Enhanceカラーをまぶたの中央に指でぽんぽんと乗せてぼかしただけの簡単メイクです。
更に、目尻側〜クリースにかけてSmokeカラーを馴染ませ、Popカラーを指で取りまぶた中央を中心にぽんぽんと乗せてみると…
こんな感じに仕上がります。ご覧の通り、Smokeカラーはさほど主張せず、どこに付けたんだっけ?というくらいナチュラル。Popカラーはパレットではカーキっぽいグリーン味を感じたのですが、実際に付けてみるとさほど発色せず、Enhanceカラーに少し似ているような黄色っぽさを帯びています。
4色使うことで若干華やかさは増すようですが、フルで使っても控えめな印象です。でもこの色味、他のパレットではなかなかないんですよね。今流行のバーガンディやパキっとした発色のピンクと違って、どことなくもやっとした一言で言い表せないカラー。とても上品で、可愛らしすぎない大人のスモーキーピンクです。
このパレット、既に単品では売り切れているのですが、Beautylishで今も販売中の「Dreamy Look in a Clutch」というセットの中に入っています。こちらも売切れ次第終了となるので、欲しい方はお早めに!
商品自体には満足しているのですが、ちょっとどうなの?と思ったのは、カスタマーサービス。もちろん日本のクレイジーなレベルのサービスは求めていないし、そもそもイギリスは全体的にサービスというものがあるようでないようなものだともわかっているのですが、それでもちょっと不思議に思った出来事がありました。
ある日、とある百貨店のカウンターへ行って、このパレットを買おうか迷っていました。ちなみに数年前までSelfridgesくらいでしか変えなかったCharlotte Tilburyは、今はロンドン市内ならどこでも見かけます。ダサい百貨店にもカウンターがあったりして、ブランディングに疑問を感じたりもしたのですが、ここ数年でとにかく急成長したということは確か。私が立ち寄ったカウンターもSelfridgesのようなところではなく、ちょっとランクが下の百貨店だったのですが、バスが来るまでの間にたまたま立ち寄ったのでした。
時間は19時20分。20時閉店というので、まだ時間があるなと思って見ていたところ、先程触れたこのアイシャドウを付けた販売員さんがセールストークを繰り広げ始めたので「付けてみても良いですか?」と言ったところ態度が急変。「もう閉店だから、タッチアップは出来ないの」とのこと。時計を見ると19時半前。店内には客は私のみで、販売員が5人ほどタッチアップ用のドレッサー付近に溜まっておしゃべり中。既にレジ締め作業も開始している様子。
どうしようかなぁ…と迷ったのですが、また買いに来るのも面倒かなと思い、手元に付けたスウォッチだけで判断し、買うことに。買いますと言った途端また態度がころっと変わり、笑顔で対応してくれたのでした。もやもやしつつ家に帰って開けてみたら、明らかに開封済み。アイシャドウに指のあとが付いていたのです。誰かがスウォッチした痕。写真に撮るときに目立つのが嫌で、これも迷ったのですがカスタマーサービスに連絡してみました。
帰国日直前ということもあり、もうその店舗付近に行くことはないことを伝えたのですが「レシートを持って店舗へ行かなければ交換は出来ない。イギリス国内なら郵送で交換できるが、日本へは郵送しない」とのことだったので、仕方なくその店舗へもう一度行くことに。
交換の旨を伝え、新しい商品を出していただいたのですが、「確認してください」と開封するときに紙箱に指を突っ込んで開封するものだから、ベコベコに折れてしまう。げーっ日本じゃあり得ない…なんて思いつつ中身を見たら、これも指紋付き。次々と開封すること10個ほど…その度に販売員さんが箱をベコベコに折っていくのでしびれを切らして「隙間に細いものを入れれば折らずに開封できるんですよ、だってこれ売り物でしょ」と言及したところ「えー!だって折れちゃうの仕方ないじゃない!そんな面倒なことしないわよ」と言われてああもう文化が違うよな…と妙に納得。
しまいには「これは指紋じゃない、こういう模様のアイシャドウだ」とか言い始め、なにそれ!?と思った矢先に指紋の付いていないパレットが見つかり、ため息混じりに「これなら満足?」とパレットを渡され、帰宅したのでした。イギリスはどこでもそうですが、客は「客」であり「お客さま」ではないので、こういうことはよくありますが、流石にイギリスでもChanelやなんかではこんな対応はされないので、品のないブランドだなという印象を受けてしまったのです。
店舗の撮影をさせて欲しいとPRに連絡した時も店舗に直接連絡しろと言われたり、直接行けと言われたり。結局直接行って交渉したのですが、驚いたのは3ヶ月後にPRから「Covent Garden店での撮影についてはこちらのメールアドレスに連絡を」と店舗直通のメールアドレスを知らせるメールが来たこと!この方は3ヶ月遅れでメールに返信しているのでしょうか…。
大好きなブランドでしたが、今回の経験でちょっとブランドの見方が変わってしまったのでした。…とは言えまた素敵な商品が発売されたら、買っちゃうんだろうなというところに自分の弱さを感じます。